生えたての乳歯や永久歯の歯質はやわらかく、虫歯になりやすいという特徴があります。
また、この時期の歯が虫歯になってしまうと、大人の歯よりも進行が早いので要注意。
歯の大切さがまだわからない小さな子供は、自分で自分のお口をケアすることができません。
周りの大人がしっかり見守り、正しいケアをしてあげる必要があるのです。
お子さんの歯は虫歯リスクが高いので気をつけましょう
- ポイント1だらだら食べさせない
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食事やおやつをだらだら続けていると、「お口の中に常に食べもの(食べかす)が残っている状態」になってしまいます。食べかすに含まれる糖分は、虫歯菌にとっても栄養源です。食事やおやつは時間を決めてあげるようにし、食後はお口の中から食べかすをなくすようにブラッシングやうがいの習慣を身につけさせてあげましょう。
- ポイント2歯質を強化する
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歯質が弱いと、虫歯菌がつくり出す「酸」によって歯が簡単に溶かされてしまいます。歯質を強化する方法としては、フッ素がおすすめです。フッ素入りの歯みがき粉や洗口剤、歯科医院で行われているフッ素塗布を上手に活用しましょう。
- ポイント3仕上げみがきをしっかり
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子供自身がブラッシングの習慣を身につけることは、その後のケアのためにもとても重要です。しかし、まだまだ細かな手作業ができない子供が自分の口の中からきれいに汚れを落とすことはできません。ブラッシングの意味を理解し、自分でしっかりみがけるようになる10歳くらいまでは、親御様が毎回仕上げみがきでチェックしてあげましょう。
マイナス1才からの虫歯予防
赤ちゃんの虫歯予防は歯が生えてから、とお考えのお母さんは多いかもしれません。ところが最近は、生まれる前のお母さんのお腹の中にいる時期、いわゆる「マイナス1歳」からの虫歯予防が有効だという考え方が一般的になりつつあります。 生まれる前のお母さんの心がけ次第で、赤ちゃんが虫歯になる割合はずいぶんと違ってきます。ここで紹介する2つの予防法を参考に、虫歯のない丈夫で健康な歯を育てましょう。
- 1赤ちゃんの歯を丈夫にする栄養をしっかり摂りましょう
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妊娠7週ころから歯胚(歯の種のようなもの)がつくられはじめて、胎盤が完成して赤ちゃんとお母さんが臍帯でつながる妊娠4~5ヶ月あたりから、赤ちゃんはぐんぐんと成長をはじめます。
丈夫で虫歯ができにくい歯を作るために、この時期は歯の形成に必要な栄養をしっかり摂る必要があります。
- 2出産後の母子感染を防ぐための口腔ケアを行いましょう
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赤ちゃんのお口の中には、乳歯の生え始めとともに虫歯菌が棲みつきはじめ、19ヶ月から31ヶ月(1歳半~3歳)くらいが最も虫歯菌に感染しやすい時期だといわれています。
そして、その感染の大きな原因がお母さんにあるのです。
虫歯菌の母子感染とは?
お母さんの口の中の虫歯菌が子どもにうつる「母子感染」は、お母さんが使ったスプーンや箸で食べ物を食べさせたり、口移しで食べ物を与えることで起こるケースが多いようです。
口の中の虫歯菌の数が多いお母さんほど、虫歯菌に感染している子供の割合が高いという調査結果が出ています。また、定期的に歯科医院でクリーニングを受けているお母さんに比べて、お母さんがクリーニングを受けていないと子どもが虫歯菌に感染する割合が高いことも分かっています。
このようにお母さんが虫歯菌を持っていると、赤ちゃんに感染するリスクが高くなるのです。だからといって虫歯にならないためには、「赤ちゃんとのスキンシップをやめる以外に方法がないのか?」といえば、必ずしもそうではありません。